海外就職の際に必要な3つの国内手続き

  • 上野 陽子上野 陽子

無事海外就職が決まってほっとしたのもつかの間、渡航前に国内でやっておくべき手続きがあることを皆さんご存知でしょうか?
今回は海外就職の際に必要な3つの国内手続きについてまとめてみました。

1.住民票の手続きについて

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海外就職が決まった後の国内手続きとして、まず初めに考えなければならないのが「海外転出届」を提出するかどうかです。「海外転出届」とは国内での引越しに伴う転出届と同じで、通常は海外に長期滞在(一年以上)をする場合に「海外転出届」を住民票のある市役所に提出することができます。海外転出届を提出すると住民票が抜かれ、日本国内のどこにも住所を置いていないという状態になります。

海外転出届の提出は義務ではないので、下記それぞれの違いを比較検討して決めましょう。

海外転出届を出した場合

1.住民税などの課税対象者ではなくなり、翌年から所得税・住民税の納税義務がなくなる
2.国民年金への加入義務がなくなる(任意加入は可)
3.国民健康保険/健康保険の加入義務がなくなる
4.原則としてクレジットカードは新しく作成できない
5.原則として生命保険/医療保険などの保険に新たに加入できない

海外転出届を出さない場合

1.原則として所得税/住民税の納税が必要になる(海外で得た所得も申告が必要)
2.国民年金は加入義務となる
3.国民健康保険は加入義務となる

手続きの詳細は下記のとおりです。

手続き場所 住民票を置いている市区町村(市役所や区役所)住民登録窓口
手続き所要日数 基本即日(出国の原則2週間前から可能)
必要書類 申請書、パスポート
必要フロー 上記必要書類を提出する。必要に応じて、保険や年金についての質問をされる

手続きをすると住民登録がなくなり住民票が取得できなくなりますので、ご注意ください。

2. 国民健康保険の手続きについて

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国民健康保険は任意で加入する制度がありません。海外転出届を出した海外移住者は、自動的に国民健康保険から脱退することになります。任意継続被保険の場合も海外転出届を出した場合は加入、継続できません。そのため、海外転出届を出すかどうか(住民登録を抹消するかどうか)が非常に重要になります。
国民健康保険(任意継続被保険)を継続するか、脱退するか下記を比較して検討してみましょう!

国民健康保険継続がオススメの方

・日本の滞在日数や時間が短い方でも、日本で医療機関を受診したいと考えている方
(日本で全額負担することなく医療機関を受診することが出来るため)

国民健康保険脱退がオススメの方

・長期間の海外就職を考えている方
・就職後日本への帰国日数や帰国時間が短い方
(出費が増えずに済むため)

手続きの詳細は下記のとおりです。

手続き場所 住民票を置いている市区町村(市役所や区役所)
手続き所要日数 基本即日
必要書類 ・海外転出届の手続きに準じる
・国民健康保険被保険者証(返納)
必要フロー 保険者(管轄)が市町村であるため、「海外転出届」が「国民健康保険免除届出」の代わりとなります

海外転出届を出した場合は、移住される国の公的保険か私的保険に加入することをオススメします。渡航前に受け入れ先の企業に相談してみましょう。
ちなみに日本の旅行傷害保険は旅行を前提にしているため、原則、海外移住(1年以上の滞在等)のような場合は対象外となっているようです。移住される前に現地の医療状況や保険の仕組みを把握した方がいいでしょう。

3. 国民年金の手続きについて

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公的年金は下記の通り3種類あり、その一つが国民年金です。
1)国民年金・・・日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人
2)厚生年金・・・厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人
3)共済年金・・・公務員・私立学校教職員など

国民年金は下記のような特徴があります。

年金の受給資格

年金の受給資格期間である25年間を最低でもクリアしていること

受給金額

仮に20歳から60歳までの40年間の全期間保険料を納めた方は、65歳から年間で満額(平成24年度約78万円)。年数が減るごとに減額されていく。

年金は、日本国内に住所のあるすべての人が加入を義務づけられています。
つまり、日本国内に住所登録をされていない海外移住者は加入義務がなく支払い義務は発生しません。そのため、海外転出届を提出すると住民登録が抹消されるので、国民年金の手続きは不要となります。

しかし、住民票を抜いている場合でも任意で継続し、支払いを続けることもできます。
国民年金の選択肢としては下記の3通りがあります。

1)国民年金の支払いを続ける場合(=海外転出届をださず、継続)
・引き続き、需給資格期間としてカウントされる
・この期間の年金額は減額されない
・保険料の支払いが経済的に難しい場合など、免除や納付猶予の手続きが出来る。
(免除や猶予になった期間は年金の受給資格期間(25年間)に算入される。免除に限り、
受取の年金額が納める金額により少なくなる。)
・受給する年金額を増やすには、保険料免除や納付猶予になった保険料を後から納める(追納)をすることができる。

2)国民年金の支払いを続ける場合(=海外転出届を出し、任意継続)
・任意加入により日本国内に住所をおいていなくても、需給資格期間としてカウントされる
・この期間の年金額は減額されない)

3)国民年金の支払いを辞める場合(=海外転出届を出し、任意継続をしない)
・日本国内に住所を置いていない期間は年金に加入している期間(カラ期間)として取り扱われる
・この期間分の年金額は減額される
・最低25年間という受給資格を満たす日数には加えられる

海外就職先の国によっては日本の年金制度と繋がっている国もありますので、日本では払っていなくても就職先の国で払っていれば、定年後に双方の国での支払い状況を合算して年金額が決まる場合もあります。こちらの受け入れ先の企業への確認をオススメします。

国民年金手続き免除の手続きは下記のとおりです。

手続き場所 住民票を置いている市区町村(市役所や区役所)
手続き所要日数 基本即日。(渡航の数日~1週間位前)
必要書類 海外転出届の手続きに準じる
必要フロー 「海外転出届」が「国民年金免除申請」の代わりとなります。

ちなみに、任意加入する場合の手続き方法は下記のとおりです。

手続き場所 これから海外移住される方はお住まいの管轄する市役所へ。
現在、海外在住者は年金事務所
手続き所要日数 基本即日。
必要書類 ・加入申出書(「国民年金被保険者資格取得届(申出)書」)
・口座振替申出書
・年金手帳
必要フロー 上記書類を提出する。

いかがでしょうか?
ついつい後回しにしたくなる国内手続き。でもけがや病気の保証や将来の保証など、じっくり考えるべき大切なことです。ぜひ、余裕をもって検討、手続きしてくださいね!

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